個人の国際特許出願(PCT出願)活用法


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個人の国際特許出願(PCT出願)活用法

  

 個人の方は、国際的に活用できそうなアイデアを思いついた場合、国際特許出願(PCT出願)を、次のように活用するのが良いと思います。これは基本的考え方ですので、後述する<国際特許出願と国内出願の順番に関し>も是非ご参照下さい。
  
1.類似アイデアの有無調査
2.類似アイデアがなければ、国際特許出願(PCT出願)
3.国際調査報告書および見解書を入手後、その結果に応じ、
 出願日から28ヶ月以内を目処に、各国(条約締約国)における特許出願権(特許を受ける権利)を、企業に売り込む
  
  
 国際特許出願(PCT出願)は、非常にざっくりいいますと、次のような特徴があります。
  
国際特許出願後、通常3~4ヶ月程度で国際調査報告書
 および見解書を入手することができる。
 国際調査報告書および見解書は、国際調査機関(通常日本特許庁)によってなされるもので、出願内容の特許性有無についての一応の調査結果と見解が示されたものです。この調査結果と見解は各国当局の判断を拘束するものではありませんが、尊重されることが期待されます。
  
各国への移行(特許出願手続)期限は、ほとんどの国に関し、国際出願日から30ヶ月です。
 この①②の特徴を利用し、上記の通り、
国際調査報告書および見解書を入手後、その結果に応じ、出願日から28ヶ月以内を目処に、各国(条約締約国)における出願権(特許を受ける権利)を、企業に売り込む。
という利用法が良いと思います。
  
 <ご参考>
  
 国際調査報告書および見解書で思わしくない結果が出た場合、その結果によりましては、種々対応手続可能ですが、費用を考えますと、基本的には対応手続せずに、売り込み活動を行った方が良いように思います。
  
企業への売り込みは、かなり難しいものですので、過度の期待は禁物です。
  
 


国際特許出願と国内出願の順番に関し

 
 
 

<お勧めの順番>
 以下の通りですので、下記Aの順番をお勧めしております。

 国際出願と国内出願(日本出願)を行う場合、主な順番として次のA,Bがあります。

  
 [順番A]
  
1.日本出願および早期審査の申請を行う。
  
2.通常、出願および早期審査の申請から2~4ヶ月位で、最初の審査結果が得られるので、その結果を見て、以後の方針を例えば次のように決める。

(1)最初の審査結果が否定的であり、対処不能と思われる場合には、その後の手続は断念する。

(2)最初の審査結果が肯定的または否定的であっても対処可能であり、特許取得の意義がある場合には、手続を続行し、日本特許の獲得とともに、国際出願も行う。

  
 [順番B]
  
 1.国際特許出願を行う。
  
 2. 通常、出願から2~3ヶ月で、国際調査機関による国際調査報告および見解が得られるので、その結果を見て、以後の方針を決める。

(1)国際調査報告および見解が、肯定的である場合、日本への国内移行等を検討する。

(2)国際調査報告および見解の結果が否定的であり、対処不能と思われる場合には、その後の手続は断念する。
*対処可能な場合、PCT19条補正、予備審査請求、34条補正等、国際段階での手続となり、費用がかさみますので、特に個人お客様には得策とは言えないと思います。

  
  
 順番A、Bのメリット・デメリット
  
 [順番Aのメリット・デメリット]
  
  <順番Aのメリット>
日本特許が確定(又は略確定)した状態で、国際出願を行うので、略間違いなく、肯定的な国際調査報告および見解が得られる可能性が高い。
  
②  最初の審査結果を受けて断念する場合の損失費用も、初めから国際出願を行う場合に比べて多少少なくてすむ。
  
③  順番Bよりも低額で、少なくとも日本特許を獲得できる可能性は高くなる。
  
  
 <順番Aのデメリット>
  
  特許の可能性があって、国際出願に進む場合は、その分の費用が、別途かかることになりますので、日本出願費用+国際出願費用となり、総額では高額になります(なお、初めから国際出願をした場合でも、日本で特許を獲得するには別途手続(費用)が必要となりますので大きなデメリットとは言えないと思います)。
  
  
  [順番Bのメリット・デメリット]
  
   <順番Bのメリット>
  
  国際調査報告および見解が肯定的である場合、日本への国内移行費用を含めた費用は順番Aよりも低額となる。
  
  <順番Bのデメリット>
  
 国際調査報告および見解の結果が否定的であり、その後の手続は断念する場合、順番Aよりも損失費用は高くなる。
  
②  国際調査報告および見解の結果が否定的であるが対応可能で有り、国際段階で対応場合、PCT19条補正、予備審査請求、34条補正等、国際段階での手続となり、費用がかさむ。
  
  <お勧めの順番>
  上記の通りですので、Aをお勧めしております。
 




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